父が娘を忘れた日 認知症の悲しみ①
こんにちは
Yukaです。
今日はわたくしごとですが両親のことを書きます。
長い話なので、何度かにわけてブログに書き進めていきたいと思います。
良ければ気長におつきあいくださいませ^^
認知症や介護が必要な親を持つ方にとっては、何かの気付きになりますし
また、直面していなくても、私たちが避けられない
「老い」
について考える機会になりますので
目を背ける事なく、読み進めていただければ幸いです。
現在、認知症は
2012年時点で、65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%
約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになってます。
また、認知症の前段階である軽度認知障害の高齢者も約400万人いると推計されています。
65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”となる計算です。
厚生労働省発表より
認知症は、もはや他人ごとではないのです。
イベンターとしてデビューの日、母が脊髄損傷に
2016年4月8日 くしくもその日は
私が交流会の仕事をいただいてからの初仕事の日でした。
朝に、携帯に母からの着信に出てみると、軽度の認知症の父の声だった。
「今すぐ来てくれ!お母さんが救急車で運ばれる」
実は
こんなことは以前にもあり
大抵の場合、たいした用事でもないのに
ギャンギャン言って切れてしまう。
でも、今回は様子が違っていた。
父から近所の人に電話を代わり
「お母さんが、柱に頭をぶつけて怪我をしてる。今から救急車で運ぶから
娘さんいまからこれる?私(近所の方)これから仕事なので行かないといけないの」
様子をひととおり聞いて
仕事はあるけど行くしかないと判断した私は
「わかりました。用意できたら家を出ます」
と電話を一旦切った。
初めてのイベント主催の日なのに、こんなことが起きる・・・・。
「さあ、どうする?」
今日は交流会の主催は私、しかもセミナー付きだから、私が行かないと始まらない・・
キャンセルかどうするか・・・?
落ち着いて考えろ。考えろ・・・。
ぐるぐる頭の中で巡る・・・。
フルタイムで働いていた頃、子供が発熱の時、どうしても会社を休めない時
いくつもピンチを乗り越えてきたはずだ。
助っ人助っ人・・・・・・
あーーー居た!!
長男は大きくなってもう大学生だ!
まだ寝ていた息子を起こし、今日の予定を聞いた。
運良く夕方からしか予定がないので、実家に同行してもらうことにした。
交流会は昼から開催だから、病院にいってからそのまま息子についてもらい
様子をみて大丈夫そうだったら、一旦離れて交流会にいけるかもしれない。
そして、場所を提供してくれる
心斎橋Cflatのながのさんにもメールした。
万が一、遅れた場合はセミナーは後半に
行けなかった場合は、セミナーはなしで交流会だけ
ながのさんが開催してもらえることになった。
「あーーーながのさんありがたい!!!」
そう私は、たくさんの人に助けてもらいながら
3年前の退職するまで、家庭と仕事を両立してきたのだ。
病院から何事もなかったように交流会&プチセミナーへ
病院へ到着したら母が別の近所の人に付き添われて、診察を受けていた。
「お母さん検査中やわ。一緒に待っとこう」
その時の検査の結果は
首の骨と脳には損傷がなくしばらくすれば歩けるだろうとのことだったので、そのまま帰宅させられた。
私は一旦安堵して
夕方に再度、実家に行くことにして、付き添いを大学生の息子にまかせ
そのまま昼からの交流会の主催をしに大阪へ向かった。
交流会はありがたく無事終了。
そのまま、実家にもどるために、帰路についた。
途中、息子からの再連絡があった。
母は夕方になっても
一歩も立てず、排泄もできない。回復しない。そして、嘔吐した。
もう一度救急車で運び再検査。
母は打撲ではなかった
脊髄損傷。
下半身麻痺・首から下が動かない。
私は、その日から、首から下が動かない母と、盲目の上に認知症の父との
両方の介護生活が始まった。
数日経って
父はいつも居る母が居なくて、極度に混乱していた。
一秒前の新しい事が、父は記憶が出来ない。
*直前の事を記憶する事を短期記憶と言い、父はその短期記憶が全く出来ないが古いことは覚えている
母が怪我をして入院して居ないことを何度説明しても覚えられない。
父にとっての現実は、いつも居るはずの母が居ない。姿が見えない。不安でたまらない。
病院に本当にいるのか疑い始める。父は面会で病院へも行ったし、怪我した時も一緒にいたのに
全く覚えていない。
「死んだのではないか?」
父は混乱し勘違いし、妄想し、目が見えないないのに外へ飛び出した。
止めても聞かない。認知症だから何でも自分で出来ると勘違いしている。
父は、後をついて行く私の顔を見て
鬼のような形相で、憎しみの念を込めて、他人を見るかのような知らない目で
こう言い放った
「わしに触るな!!」
今、目の前にいる私は、父にとって、母へ会いにいこうとする自分を止める憎き他人
私が娘だということを感情的になった父は忘れている。
「わしに触るな!!」
「ついてくるな!!なんで止めるんや」
「わしは、どこでも一人で行けるんや。病院へ歩いていく!!」
「わしの気持ちがわからんのか。知ってる病院やから行けるんや!」
道路をどんどん歩いていく
父が娘を忘れた瞬間だった。
続く・・・